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「顧問弁護士はいつからつけるべきだろうか?」 「うちのような中小企業にはまだ早いのではないか?」
日々、会社の成長のために奔走されている経営者の方々から、このようなお声をよくいただきます。これまで、何か問題が起きた時にだけ弁護士を探して相談してきたという方も多いのではないでしょうか。
しかし、企業が一定の規模に成長すると、トラブルが起きてから対処するスポット相談では、大きな損害に繋がるリスクが高まります。
この記事では、日々多くの中小企業様をサポートしている弁護士の視点から、顧問弁護士をつけるべき適切なタイミングや、スポット相談との明確な違い、そして導入することで得られる具体的なメリットについてわかりやすく解説します。
💡この記事でわかること
企業の成長に伴い、社内の労務問題や社外の取引先とのトラブルのリスクは必然的に高まります。法務担当者がいない中小企業において、経営者様ご自身がすべての法務リスクを管理することは現実的ではありません。
以降の章では、これらについて、具体的な状況を交えながら詳しく解説していきます。
顧問弁護士とスポット相談の最大の違いは、自社のビジネスや社内事情を深く理解した上で、日常的かつ迅速にサポートをしてくれるか否かにあります。
スポット相談とは、トラブルがすでに発生してしまった後に、単発で弁護士に依頼をする形式です。
例えば、取引先が売掛金を支払ってくれないので回収してほしい、従業員から突然残業代を請求する内容証明郵便が届いたなど、すでに顕在化している特定の問題を解決する場合には、スポット相談でも対応が可能です。
しかし、スポット相談の場合、一から自社の事業内容や今までの経緯を弁護士に説明しなければなりません。また、弁護士を探して面談の予約を入れるまでに時間がかかり、初動が遅れることで問題がより深刻化してしまうリスクがあります。

顧問契約を結んだ場合、弁護士は貴社の事業内容、社風、経営者様の理念などを日頃から共有しています。そのため、何か不安なことが起きた際、電話やメールなどですぐに確認できる環境が手に入ります。
例えば、新しい取引先から提示された契約書について、「この条項はうちにとって不利ではないか?」と疑問に思ったとします。スポット相談では、わざわざお金を払って聞くほどではないかと自己判断してしまいがちですが、顧問弁護士がいれば気軽に確認でき、将来の大きな損失を防ぐことができます。
つまり、スポット相談が病気になってからの「治療」であるのに対し、顧問契約は病気にならないための「予防」と「健康管理」を担うものと言えます。
吉野モア法律事務所では、中小企業のお客様の顧問契約実績を多数保有しています。まずはお気軽にお問い合わせください。
では、具体的にいつから顧問弁護士を検討すべきなのでしょうか。以下の兆候が見られた時が、まさに顧問契約を結ぶべきタイミングです。
従業員数が20名から30名を超えてくると、社長一人の目では社内のすべてを把握することが難しくなります。経営陣と現場との間に距離ができ、想定外の労務問題が発生しやすくなるタイミングです。
就業規則の整備が追いついていなかったり、未払い残業代の問題が潜んでいたり、あるいは社員同士のトラブルなど、人が増えれば増えるほど法務リスクは指数関数的に増加します。この段階で顧問弁護士の目を通し、社内のルール作りを法的に整備しておくことが、組織崩壊を防ぐ要となります。

▶︎ 関連記事:【中小企業必見】就業規則どこから見直す?労務トラブル予防のポイント
事業が拡大し、従来の決まった取引先以外との取引が増えてきた時は要注意です。特に、相手方が大企業であったり、これまで扱ったことのない新しい形態の契約を結ぶ場合、自社に不利な条項が紛れ込んでいるリスクがあります。
契約書は、トラブルが起きたときのルールブックです。これまでは口約束や簡単な発注書で問題なかったからという過去の成功体験は、新規取引には通用しません。契約書の種類や締結の頻度が増えたタイミングは、契約書のリーガルチェックを日常的に任せられる顧問弁護士が必要になる大きなシグナルです。

▶︎ 関連記事:その契約書、本当に役に立ちますか?契約書の管理方法と運用の基本
「最近、退職者が頻発している」「現場の責任者のパワハラを訴える声が耳に入った」など、具体的なトラブルになりかけている火種がある場合は、ただちに顧問弁護士をつけるべきです。
ハラスメント問題や不当解雇の問題は、SNSで拡散されたり、労働基準監督署が介入したりすることで、企業の存続を揺るがす致命傷になりかねません。問題が大きく燃え広がる前に、専門家とともに火消しを行い、再発防止策を講じる必要があります。

▶︎ 関連記事:ハラスメント再発防止策を徹底解説!企業の信頼を守る具体的な手順とは
>>ハラスメント対策に関するご相談は、こちらよりお気軽にお問い合わせください。
新しいビジネスモデルを始める際、それが現在の法律に抵触していないかを確認することは不可欠です。サービスをリリースした後に違法性が発覚した場合、事業の停止だけでなく、これまでの投資がすべて無駄になってしまいます。
新規事業の立ち上げ時には、早い段階から顧問弁護士に相談し、合法的にビジネスを進めるためのスキーム構築をサポートしてもらうことが成功への近道です。

顧問弁護士を導入することで、企業の経営にはどのような良い変化がもたらされるのでしょうか。
最大のメリットは、「予防法務」が実現できることです。予防法務とは、トラブルが起きてから対処するのではなく、問題が起きないよう事前に法的リスクを把握・整備しておく考え方です。吉野モア法律事務所でも、この予防法務を中小企業経営の中核に据えた顧問サービスを提供しています。
問題が起きてから裁判で争うことになれば、弁護士費用だけでなく、経営陣の膨大な時間と精神的なエネルギーが奪われます。顧問弁護士と日頃から連携し、「この契約書のこの部分を直しておきましょう」「この社内ルールは法律違反になるリスクがあります」と事前に修正していくことで、トラブルの芽を未然に摘み取ることができます。結果として、トータルでのコスト削減に大きく貢献します。
経営において迷いは機会損失を生みます。「この取引を進めて法的に問題ないだろうか」「従業員への対応としてこれで正しいのか」と悩んだ時、すぐに相談できる相手がいることは大きな強みです。
顧問弁護士であれば、自社のビジネスを理解しているため、一から説明する手間が省け、迅速かつ的確な回答が得られます。法的な裏付けを持った上で決断を下せるため、経営判断のスピードと精度が格段に上がります。
会社のウェブサイトや会社案内に「顧問弁護士」の名前を記載できることは、社外に対する大きなアピールになります。取引先からはコンプライアンスがしっかりしている信頼できる企業と評価され、取引を円滑に進める後押しとなります。
また、従業員に対しても労働環境を法的に守る意志がある会社であることを示せるため、安心して働ける環境作りに繋がり、採用活動においても有利に働くことが期待できます。

顧問弁護士は大企業がつけるもので、費用が高すぎるのではないか?と心配される方も少なくありません。
顧問弁護士の費用(顧問料)は、各法律事務所や、毎月の相談目安時間、依頼する業務の範囲によって異なりますが、中小企業向けの場合、月額3万円〜10万円程度に設定されているのが一般的です(※1)。
例えば、
もし社内に法務担当者を1人雇用しようとすれば、毎月数十万円の人件費に加え、採用・教育コストがかかります。それを考えれば、法律の専門家であり、経験豊富な弁護士を月額数万円で自社の法務部として活用できる顧問契約は、非常に費用対効果の高い投資であると言えます。
今回は、顧問弁護士はいつから必要かというテーマについて解説いたしました。
企業の成長には、攻め(営業や事業拡大)だけでなく、守り(法務リスク管理)の充実が不可欠です。「まだトラブルが起きていないから」と後回しにするのではなく、会社を守り、さらなる成長を遂げるためのパートナーとして、顧問弁護士の導入をご検討されてはいかがでしょうか。
なお、今回解説した内容は一般的な基準であり、企業が抱える法的リスクや最適な対策は、業種や個別の経営状況によって大きく異なります。最終的なご判断や具体的な対策については、専門家に個別にご相談いただくことをお勧めいたします。
弁護士への相談をご検討ください
当事務所では、企業法務に関する初回のご相談を無料で承っております。貴社の現状を詳しくお伺いし、顧問弁護士をつけるべきタイミングかどうか、費用対効果を含めて誠実にお答えいたします。まずはお気軽に、お問い合わせフォームまたはお電話にてご連絡ください。経営者様の抱えるご不安を取り除くお手伝いができれば幸いです。

吉野モア法律事務所 代表
京都大学法科大学院卒業 大阪弁護士会所属。
2022年に吉野モア法律事務所を開所し、主に中小企業のコンプライアンス問題や外国人労働者等の労災・労務問題、事業リスク・事業開発に伴う法的アドバイス等を実施。
直近は「トラブルが起こる前に備える」企業法務を目指し、組織づくりや次世代経営者育成なども手掛けている。
参考資料
※1 日本弁護士連合会「中小企業の方向け弁護士報酬の目安」https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/legal_advice/cost/smeguide.pdf
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