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近年、「静かな退職」という言葉が広まるように、社員のエンゲージメント低下や小さな不満の積み重ねによる人材流出が、深刻な経営課題となっています。特に、職場内のハラスメントや人間関係の悪化が発生した際、その受け皿となるべき相談窓口が形骸化していると、問題は潜在化し、結果として企業に大きな損害をもたらすことになりかねません。本記事では、形骸化した相談窓口をどのように再構築し、組織の弱体化を防ぐべきか、具体的な改善ステップを解説します。
💡この記事のまとめ
企業は、相談窓口を単に設置するだけでなく、形骸化を防ぎ有効に機能させることが不可欠です。形だけの窓口はハラスメント問題の潜在化を招き、最終的に巨額の損害賠償請求や優秀な人材の流出(静かな退職)を招く経営リスクを増大させます。
※ハラスメント相談窓口の設置義務や、企業が負う3つの法的リスクなどの基礎知識については、こちらの記事(ハラスメント相談窓口の義務化とは?弁護士が教える設置手順と運用の注意点)をご覧ください。
多くの企業で相談窓口は設置されていますが、以下のような状態は「形だけの相談窓口」と言わざるを得ません。
窓口が機能不全に陥ると、問題が潜在化したまま深刻化し、最終的に外部の弁護士から突然通知が届くような、巨額の損害賠償請求に発展するリスクがあります。また、社員の離職や「静かな退職」を招き、組織が弱体化するという「負の連鎖」に陥ってしまいます。
実際に弊所が支援した事例(仕事はできるが指導が強すぎる社員により、周囲が萎縮し離職者が出ているケース)をもとに、改善の流れを解説します。
まずは自社の現在地を正しく把握するため、アンケートを実施します。この際、「社長自らが実施の目的を全社員に発信する」ことが極めて重要です。匿名性を担保し、回答によって不利益が生じないことを伝えることで、率直な意見を吸い上げます。
ハラスメント対策の一環として、厚生労働省の項目をベースにすることが可能です。また、組織の風通しを測る指標を追加することも有効です。
【厚生労働省の項目をベースとした質問項目例】
※参考:厚生労働省「職場のハラスメントに関するアンケート調査」
【心理的安全性を確認する7つの質問】
※訳参考:GO100「心理的安全性の測り方は?7つの質問や具体的な高め方を解説」
アンケート結果に基づき、相談窓口の運用ルールをマニュアル化します。具体的には以下の項目を明確にします。
受託事業者との合意があっても、60日を超える設定は認められません。また、手形払いや支払期日までに当該製造委託等代金の額に相当する額の金銭と引き換えることが困難であるものを使用することも禁止され、下請代金の支払は「現金」または「即時決済可能な方法」が求められます。
ハラスメントの境界線は主観によって異なりがちです。そのため、「何がNGな指導なのか」を言語化し、正しい法的知識を共有するための研修を行います。

これらの取り組みは一度で終わりではなく、約1年をサイクルに定期的に振り返ることが必要です。1年後に再度アンケートを行い、ハラスメント件数の推移や社員の意識変化を測定し、次年度の施策に活かします。
1. 相談窓口は設置するだけでなく、機能してこそ意味がある。
2. 相談したら「どうなるのか」というプロセスを明確に示す。
3. 組織全体で継続的に改善する仕組み(PDCA)を回す。
相談窓口を有効に機能させることは、単なる法令遵守やリスク回避のためだけではなく、社員が安心して働ける職場環境を作り、組織の力を高めるための重要な投資となります。現在の運用に不安がある方やこれから体制構築を行なっていきたいという方は、当事務所までお気軽にご相談ください。

吉野モア法律事務所 代表
京都大学法科大学院卒業 大阪弁護士会所属。
2022年に吉野モア法律事務所を開所し、主に中小企業のコンプライアンス問題や外国人労働者等の労災・労務問題、事業リスク・事業開発に伴う法的アドバイス等を実施。
直近は「トラブルが起こる前に備える」企業法務を目指し、組織づくりや次世代経営者育成なども手掛けている。
Q1. アンケートの調査や振り返りは社内の誰が行うのが良いでしょうか?
A. アンケート内容は守秘義務が非常に高いため、現場から離れた人事・総務などのバックオフィス部門がデータを集めるのが望ましいです。最も理想的なのは、外部の弁護士事務所などが中立的な立場で集計を行い、個人の特定に繋がる情報を削除した上で経営層やメンバーに共有する方法です。
Q2.すでに相談窓口もフローもあるのですが、まず何から始めるべきですか?
A. 代表者による「今の状況をどう捉え、どう変えていきたいか」という方針表明から始めるべきです。その上で、既存の窓口がなぜ機能していないのか(存在を知らないのか、不信感があるのか等)を、簡易的なアンケートなどで調査することをお勧めします。
Q3. 相談担当者がその場で「ハラスメントではない」と判断してはいけないのはなぜですか?
A. 即座に否定してしまうと、会社として取るべき適切な調査や措置を怠ったとみなされるリスクがあるためです。また、相談者が「聞き入れてもらえなかった」と不信感を抱き、問題が深刻化する恐れもあります。一定のルールに基づき、慎重に事実確認を行うプロセスを徹底することが重要です。
Q4. 相談者が特定されてしまった、あるいは疑われている場合はどう対応すべきですか?
A. まず、相談担当者が不用意な言動で特定させてしまうことがないよう、ルールを徹底することが前提です。もし周囲から「あの人が相談したのか?」と聞かれても、肯定も否定もせず「答えられない」という姿勢を貫く必要があります。その上で、相談者に対して「大丈夫ですか、どのような状況ですか」と個別にフォローを行い、ルールに従って対応していることを説明して安心感を与えることが大切です。
※法的な判断は現場の状況により異なります。 具体的な事案については、弁護士へお早めにご相談ください。
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